アトピー改善までの
道のり。
アトピーと向き合い歩んだ6000日
アトピー記録

ステロイドは怖い薬ではないこと

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ステロイドと聞くと怖い薬、やめられない薬、副作用がでる薬、と思う方も少なくありません。

私もその一人でした。
アトピー性皮膚炎の治療として約10年間使用し、一向に治らずステロイド離脱を試みた一人です。
一時は良くなり、自分自身がアトピーだと忘れるほどでしたが、再発をし、再びステロイドと向き合うことにしました。

ステロイドについて正しい知識と、きちんと向き合えば決して怖い薬ではなく、アトピー性皮膚炎の改善には効果的であることを身を持って伝えていきます。

ステロイドとは

ステロイドは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1種で、表皮細胞でも作られています。
アレルギーや免疫を抑える効果があり、かゆみを和らげ、世界中のガイドラインで第一選択薬となっています。
現在ではステロイド外用剤の強さは5ランクに分けられています。

フィンガーチップユニット』とよばれる、外用剤の塗る量の目安が決められています。
大人の手のひら2枚分が、人差し指の先から第一関節まで(約0.5g)が十分な外用量の目安とされています。

ステロイドは怖い薬だからあまり塗りたくない・・としていては、十分な効果が得られず、治療が長引いたり、思ったより症状が良くならなかったりと、早くステロイドの時期を脱したいのにいつまでもやめられなくなってしまいます。

アトピー性皮膚炎はまず皮膚に傷があることで、よりアレルゲンに反応しやすくなり、広がってしまいます。
とにかく傷をまずは治すことが大切です。

タクロリムス(プロトピック)外用剤

正常な皮膚は、500ダルトン以上の分子は吸収しないと言われていますが、ステロイドは種類により500ダルトン以下のものもあります。
そのため皮膚の内部にまで浸透し、急にやめることで副作用のように反応が出てしまいます。

ステロイド表面上の傷を治したら、タクロリムス(プロトピック)外用薬に切り替えることも有用です。
タクロリムスは、ステロイドの5段階の強さランクでは、3群から4群に匹敵する抗炎症作用を持ちます。
タクロリムスの分子は800ダルトンほどと言われているため、皮膚内部への浸透、副作用の心配もほとんどないと言われています。

使用量を守ることで、長期間の使用でも皮膚萎縮なども見られないとの報告があります。

いい皮膚科医の見つけ方

皮膚科に行ってもいい先生に出会えないと、薬を処方されるだけで終わってしまいます。

  1. 薬の使用方法、試用期間を提示してくれる
  2. 今後の見通し、次の受診はいつすべきか提示してくれる
  3. 服を脱いで診察してくれる

ステロイドは使用方法を間違えると、依存や副作用など起こしてしまいます。
先生が使い方や治療方法を伝えてくれるか確認しましょう。
また、もし上記のことを示してもらえないのであれば、自ら聞く、聞いても曖昧な場合は別の皮膚科にかかることもいいと思います。

残念ながら、現在は全ての皮膚科で同じような指導をしてくれるとは限りません。
医師により考え方や治療法が異なることもあります。

自分自身が信じられるか、通い続けられるかの見極めも大切です。

ステロイドの治療方法

ステロイドの治療方法には主に2種類あります。

  • リアクティブ療法
    炎症が起きた時に治療する方法で、肌がきれいになったら保湿に切り替え症状が悪化したらまたステロイドを塗り、肌をきれいにします。
    これを繰り返すことで肌がきれいな期間が長くなり、ステロイドが不要となることを目指す方法です。

  • プロアクティブ療法
    炎症が起きる前から治療する方法で、最近の主流はこちらになってきています。
    炎症は一旦治まったように見えても小さな炎症は残っているため、肌がきれいになってもステロイドの量を減らしながら塗り続け、小さな炎症までしっかり落ち着かせます。

先生やアトピーの症状によって治療方法は異なると思うので、
きちんと相談し、納得のいく治療方法でアトピーを克服していきましょう。

ステロイドの副作用

ステロイドは長期間使用し続けることや、人により副作用が現れることもあります。

ステロイド副作用の主な症状

  • 体の免疫力低下により風邪などにかかりやすくなる骨がもろくなる
  • 糖合成の働きがあるため糖尿病になる
  • 消化管粘膜が弱くなり潰瘍ができやすくなる
  • 血栓症が起こりやすくなる
  • 不眠症やうつなど精神病になる
  • 白内障や緑内障
  • ステロイド産生を行っている副腎がステロイドを分泌しなくなり、副腎不全を起こす(ステロイドをやめると体内のステロイドホルモンが不足し、ステロイド離脱症状が現れる)

副作用を並べるとやはり使用したくない、と思ってしまいそうになる症状ばかりです。
しかし、間違った使用法をしなければ通常は怖がることではありません。

私のステロイド失敗談

私が腕に痒みを覚えたのは大学生になってからでした。
すぐ治るだろうと思いながらも、皮膚科で言われたのが、成人型アトピーです。

処方された薬はステロイド外用剤です。
塗ればすぐ治るだろうと深く考えずに使用すると、あっという間にツルツルの皮膚に!
治ったのでもういいか、と塗るのを勝手にやめると、しばらくしてまた痒みが・・
またステロイド塗ればすぐ治るだろうと塗り、治って痒くなってはまた塗り、、

お判りかと思いますが、きっかけはこんなひょんなことでした。
腕だけだった痒みはいつしか足、お腹、顔、とどんどん広がりました。
気付けばあっという間にステイロイド依存に。
わたしの過ちはまず、

ステロイドは治る薬だと勘違いしていたこと。

ステロイドはアトピーを治すのではなく、症状を抑えてくれるということ。

この勘違いにより、私は用法用量も知ろうとせず、痒くなればステロイドを塗ればいいと、大量に全身にクリームのように塗りたくっていました。

痒みを覚えた腕から始まったアトピー性皮膚炎は、10年も経っていて、症状は全身に広がり、顔も真っ赤になりました。
保湿は朝と夜塗っても数時間後にはカピカピに乾き、チクチク体が痛み、洋服の繊維が刺激となり仕事にも集中できず、何よりも痒かったです。

皮膚科に行っても強いステロイドを処方されるだけで何の指導もしてもらえず、だんだんとステロイドの良い効果を得られることができなくなり、何も考えられず、脱ステせざるを得なくなりました。

私の場合、長期間にわたるステロイド外用剤の使用により、副腎の本来のステロイド産生機能が失われていたと思われます。

そのため脱ステを行った時は本当に地獄をみました。
いま思えばとても危険な行為でした。

私は脱ステを全ての方に勧めたいとは思っていません。
ステロイドは決して怖い薬ではなく、用法用量をきちんと守り使用すれば、良くなります。

アトピー性皮膚炎の薬と向き合うこと

ステロイドが一定数合わない、症状が改善しない方に、デュピクセントという治療法が始まりました。
皮膚の炎症やバリア機能を低下させるIL-4やIL13の働きを直接抑えることができる、2018年に10年振りのアトピー性皮膚炎の新薬として使用可能になりました。

まだまだ研究は続いていおり、新薬もどんどん開発されていきます。
皆アトピー性皮膚炎がどうすれば良くなるか、研究者も医師も懸命に向き合っている人達がいます。

私は脱ステ後、一時肌は良くなり、アトピーだと忘れるほど快適に過ごしていました。
しかし、数年前に再発しました。
そこからは生活習慣を見直しながら、薬とも向き合い、再び薬いらずの体を取り戻せています。

民間療法も大切ですが、ステロイドが怖い方はもう一度、ステロイドについてきちんと知り、薬と向き合うことも考えてみてください。

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